2HNでは、設立時から生活困窮者を支援する団体や福祉施設・団体などへ、食品を提供してきました。
しかし、地域で孤立した方や、制度の狭間に落ち込んだ見えない生活に困った「個人」へ食品を提供したいという思いから、昨年から「個人」へ食品をお届けすることを始めました。
市・区役所や社会福祉協議会などの相談窓口と連携し、相談窓口からの依頼を受けて米5キロと缶詰・調味料など単身で約3週間分の食品パックを送っています。
(個人支援事業の概要)
(食品パックの例:米5キロなど単身で約3週間分)
フードバンクで個人への支援を行っている団体は他にもいくつかありますが、2HNならではの個人支援の特徴を今回はご紹介させていただきます。
①オーダーメイド
支援を必要とする方への食品パックは、作り置きはせずに依頼を受けてからオーダーメイドで作っています。
というのは、支援を必要とされる方は、年齢、性別、家族構成、現在の生活の状況などみな異なります。
そのため、支援対象者の情報を知るために、相談窓口の相談員の方に「依頼書」を作成いただき、それをもとに詰め合わせを作成します。
(相談員が記入する依頼書)
【確認ポイントの例】
・ライフライン(水道、電気、ガス)の状況
→原則、食品パックには米5キロを入れていますが、ライフラインがなく調理・炊飯ができない場合には、水で炊けるアルファ米や開封してすぐに食べられる缶詰などを入れます
・子どもの年齢はいくつか
→1才未満であればベビーフードを入れたり、未就学児には甘口カレーを選んだりしています
→糖尿病の場合には、お菓子を控え、低カロリー食品を優先し、アレルギーがある場合には、成分表示を確認しアレルギー物質を含まない食品を入れます
その他にも、依頼書から読み取れない情報は、相談員の方に直接話を伺うこともあります。
依頼書の情報では調理できそうな場合でも、精神状況によっては調理ができない場合もあるからです。
ボランティアの方は「食品パックを開けた時の笑顔のために、悩みながら食品を詰めるのが楽しい!」とよく言っています。
このように、私たちは支援対象者の方、一人ひとりの暮らしを思い浮かべながら、より満足していただけるよう食品パックを作成しています。
②翌日配送
オーダーメイドで作成する食品パックは、宅急便で原則翌日の午前中には相談窓口もしくは、支援対象者の自宅にお届けしています。
(※当日16時に依頼は締め切り。それ以降は翌営業日対応)
支援対象者の方は、相談窓口に行った時点ですでに長期に渡って食事に困られている方も多く、翌日に食品が届くのは大きな安心感につながるようです。
相談員の方にとっては、食品パックを相談の翌日に支援対象者の方に渡せることで、信頼関係が構築しやすくなり、その後の支援活動にも大きな力になっているとのこと。
身の上話やプライベートに深く迫る話は、誰でもいきなり素直に打ち明けることは難しいですが、食品の支援を通じて「心を溶かす」効果もあるとある相談員の方はおっしゃっていました。
行政と連携した個人支援事業の詳細は、報告書としてこちらにまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください!
また、現在食品パックに入れるお米が不足しています。
もし、余っているお米がある方は、ぜひこちらまでよろしくお願いいたします!